■最初に
私は二児の父親ですが、赤ちゃんがお腹にいるとき迄は、「健全な子が生まれたらいいな」と思っていました。
そして、無事に生まれた赤ちゃんが物心がついてきて、保育園や小学校に行きだすと、「社会に適応できる子に成長してもらいたい」と思うようになってきました。
この気持ちは、母犬に子犬を産ませるときや、お客様に子犬をご案内するときも変わりません。
■3つの重要なこと〜極小豆柴・豆柴は、性格の良さが第一
当犬舎の考え方として誤解を恐れずに言えば、子犬は外見よりも内面が大事、特に性格の良さが第一だと思っています。たとえどんなに小さな犬やとても見た目が良い犬でも、
生まれつき性格がきつくて人の迷惑になるような行動を常時するようなら台無しと思うのです。
昔は柴犬は外で飼うというのが当たり前で、室内で飼うなどと笑われたものです。それが今世紀に入ってマンション内で愛犬を迎える方が増え、以前とくらべ愛犬との距離が短くなってきております。当然異論もあるでしょうが、お散歩時はもちろん、(主に)室内で
も楽しい愛犬との生活を満喫できて、愛犬も飼い主さんも末永く幸せに暮らせる。愛犬との生活を満喫したい・・・・・・
、お客様の人生の楽しいときもそうでないときも一緒に苦楽を共にすごすかけがえのない家族の一員、そういう子犬を安定して譲渡したい。これが当犬舎の方針です。子犬を飼うということは、15年前後は一緒に暮らす
であろう大切な家族を迎えるということです。性格が良い犬は
どのような外見であろうとも一生とても大事にされるだろうと確信しますが、そうでなく飼い難い子犬なら一体どうなるでしょうか(個人的には社会問題になっている
施設に行く犬の中には、性格に問題がある固体(人との共存が生まれつき難しい性格)が多いのではないかと思っています。それは、見た目だけを重視して繁殖をおこなう我々ブリーダーにも要因があるのではないでしょうか。それを防ぐためにも、性格を重視した子犬の譲渡は一番大事だと思っています)。
性格が良い犬だと、基本的に無駄吠えもあまりなく、精神的にも落ち着いており、しつけもし易いです。人に対しても優しく接してくれます。このような固体は、飼い易いと
思います。犬に不慣れな人でも、このような性格・行動をする犬に触れると、いつの間にか犬好きにかえてしまう力を持っています。
性格の良し悪しは非常に大事
と思います。
15年以上ブリーディングを行い、その間に多くの子犬を設けるとよくわかりますが、性格(素性)の良さは、両親から引き継ぎます。両親とも良い性格の犬でないと子犬の性格の良さは期待できません。
仮に先天的に性格が良くない子犬だと、後の躾でもなかなかうまくいかないと思います。子犬の性格の良し悪しは、生まれ持って両親からもらった素性なのです。
当犬舎において、私が性格の良いと判断した犬しか繁殖犬に用いていません。
その結果、活発か大人しいかとかの行動の差はあれ、子犬はどの子犬も両親から性格の良さを引き継ぎます。
子犬の将来の性格・行動は、主に先天的もの(両親からの遺伝によるもの+その固体の個性+母親からの愛情+α):およそ80%と、譲渡後の躾や経験による後天的なもの:およそ20%と思います。先天的なものは基本的なものです。これが良くなければ、私でもいい子に育てる自信はありません。後天的なもので問題行動を起こすのであれば、その後のしつけ
の見直しや経験で改善できるものと思っています。
当犬舎では、お客様が後で変えられない主に先天的なものを一番大事にしております。
■3つの重要なこと〜第二に健康な極小豆柴・豆柴等の子犬の譲渡
・感染症対策〜体力・免疫
・副作用を考慮したワクチン接種の実施
犬の感染症は多くあります。いたずらに恐れる必要はありませんが、危険な感染症にはワクチンが有効です。仔犬の時は、きちんとワクチンを接種することにより、各種感染症を
ほぼ予防することができます。
犬にとって一番怖い感染症、即ち感染しやすくて生命の脅威となるものは、極端な言い
方をするとパルボとジステンパーがほぼすべてです。それ以外は、日本国においてあまり脅威とはなり得ません。 ほとんどの疾患は、
それらからすると軽微なもので、獣医師の診断・投薬により治るものです。
生命を脅かすものも中にはありますが、臨床でも稀にしかみられないものや感染力が高くなないもの等、上記二つの疾患からすればあまり脅威とならないものです。当犬舎において、子犬の負担が軽く、危険な感染症にかかりにくいワクチンプログラムを行っております。もっと詳しい内容を知りたい方はここを
参照してください。
・体質の強化
純血種は弱いとよく言われますが、それは一理あります。一般的に純血種というのは、人と比べて比較にならない位に血が濃いのが現状です。よくない固体を用い
て必要以上に血が濃いと、生まれてくる子犬の体質が著しく弱くなりがちです。
人間で例えると頭痛もちや、おなかを壊しやすいというようなレベルではなく、若くして臓器系の大きな病気を
持ってしまうようなことです。万が一、我が家の愛犬もそうなると、愛犬も飼い主さんも大変です。
特に日本犬(柴犬)は、大正から昭和初期(戦争により人も犬も生きるだけで精一杯だった時代)に数えられる位まで個体数が減少しました。これは洋犬との交雑と、戦争の影響です。
日本犬は、人里に姿を消したと言ってよい状況になったのです。その状況を危惧した有志によって種の保存の声があがり、日本最古の血統書団体である日本犬保存会が設立されました。
会員は必死になって混血してないと思われる犬を日本中探し始めました。そして、これぞ柴犬と思われる優良個体を求めて、日本の人里離れた秘境とも入れる地から
数頭の優良犬を引っ張ったりしました(山だし犬)。それらの僅かな固体を元に極近親交配を繰り返してなんとか個体数を増やしたという、不幸かつ大変な経緯があります。
これは種を守るための最善の策だったのです。その反動で様々な不利な点を多く内に秘めることになりましたが、柴犬はかろうじて絶滅から逃れられたのです(
この多難時代に日本犬で絶滅したのは、「越の犬」です。今いる日本犬と呼ばれる各犬種は、先人達の大変な努力があって救われたのです。日本犬好きとしては、感謝してもしきれない程です)。そして主に日本犬保存会の会員によって全国に血が散り、日本犬の中では珍しく各地で発展して個体数が増えました。全国レベルで愛好家がいたことが幸いし、個体数が増えて、濃すぎたDNAもある程度多様化しました。その結果、血を薄めると極近親交配の影響が出にくくなってきますが、油断して血を濃くすると極近親交配の影響が表面化しやすくなります。
当犬舎はできる限り近親交配の影響の出現を避けるため、(1)心身ともに健全な固体を用いて、(2)ある程度血が離れた交配を積極的に行っております。それは
健康面で大きなハンディを生まれつき持つ固体が生まれるリスクが低くなり、愛犬の健康と長寿につながってきます。
個人的には、そのようなことを考えないで平気で乱繁殖した固体は、世代を重ねる毎にリスクが高まるでしょう。そこを気をつけると世代を重ねる毎にリスクが低くなり、結果両者では大きな差がひらくと思います。
ただ、犬は言うまでもないのですが、生物であり工業製品ではないので、予期しないことが発生する可能性は0%ではなくて、可能性はどの固体でもございます。
特に日本犬は上記の経緯があるので非常に低リスクとは言いがたい犬種達です。そのリスクを高めでよいか、なるべく低くすべきかは、ブリーダーの考え
方と行動次第で大きく変わります。当犬舎はなるべくそのようなことがないように努力しております。
ゼロにすることはあくまで理想であり、現実的には不可能ですが、ゼロに近づけることは不可能ではないのです。
・生体保障
生体という特性上、ウィルスや細菌がまったく持っていないという生体のご提供は実質不可能です。有害、無害などの差はありますが、なんらかのものはある程度持っているとご理解ください。その点をご理解の上、生体をお求め頂いたほうが良いでしょう。もちろん、危険なウィルスや細菌はゼロに近づけたいので様々な対策は実施しておりますが、それに加えて生後四ヶ月までにお引渡しした子犬に対して、以下の保証を用意しております
のでご確認ください。
死亡保障
お引き渡し後、30日以内でこちら由来と思われる疾患(感染症:潜伏期間により判断)で死亡した場合は、同等レベルの子犬(同じ価格帯)を後日譲渡します。その場合、二か所の異なる獣医さんからの死亡診断書の提出(死亡理由に矛盾がないことが前提)をお願いします。ただし、お客様の要因による死亡は除きます(例:餌を満足に
与えなかった。低血糖状態を放置した。明らかに異常があるのに放置した。お引渡し後に他所で感染症にかかった等)。このサービスは、国内のお客様のみのサービスで
無料でお付けします。
医療保障
将来的にも金銭面で安心して子犬を育てるには、補償内容がよい愛犬の保険が必要です。当犬舎おすすめのアニコム損保のペット保険「どうぶつ健保べいびぃ」に入っていただければ幸いです。
通常の保険と異なり、お引渡し時から医療行為(ケガ・病気、誤飲など)は ほぼすべて保険支払い対象となり、初めの1ヶ月間は診療費100%補償となります。 (限度額、限度日数あり)
(ワクチン接種や健康診断 、ワクチンで予防できる疾患、持ち帰りのシャンプー、爪切りなどは除きます。詳しくは直接お問い合わせください。)。
2ヶ月目からは、70%または50%補償となり 、対応している病院でしたら窓口精算が可能です。対応していない病院での診療時は、立て替え払いでご利用できますので、全国どこの動物病院でも保険が使えます。
お引渡し時に保険のご加入手続きができます。(要:クレジットカード)。30〜60分程お時間をください。終身補償型なので、年を重ねても入院・手術はもちろんのこと、通院までご利用できます。ペット保険にご加入いただかない場合は、 以降の診療費は実費でのご負担となりますのでご注意ください。
W2306-0020
その他
お引渡し後、30日以内で飼い主様が噛み傷、引っかき傷以外で人畜共通感染症にかかった場合、1万円をお支払いいたします。
■3つの重要なこと〜最後に
外見:お顔だちの良さや体の小ささ
豆柴はまだ
公的な団体で認められている正式な犬種ではありません。
他犬種と同様、大きさは個体によりかなり差があります。当犬舎では、猫ちゃん程度の小さな極小豆柴から、体高30センチちょっとの豆柴、柴犬よりもやや小さい小柴まで揃っています
(現在、小柴の積極的な繁殖はしておりません)。
大事な犬質(主に上記二つの重要なこと)を落としてまで、体の小ささを競うような無理な繁殖・育成はしていません。もちろん、当犬舎内において、ポメラニアン等、他の犬種と交配したりするようなことは絶対ありません。また、極近親交配の繰り返しはしません。
その結果、お顔だちもそれぞれ異なり、子犬の個体差(外見的な個性)が出やすくなります。
同じ兄弟でも良く似ている場合もあれば、まったく異なる容姿をもったケースも普通にあります。それはそれで良いと犬舎主は思っています(代々近親交配交配して生まれた子犬は、低コストで繁殖できるため、利益が高いというメリットがあります。また、小ささや個体差の少なさという面も有利になります。その結果、お顔だちも、どの犬も同じようになります。それは当たり前です。代々近い親戚同士でかけ合わせているので、似てくるのは道理です。反面、重篤な遺伝疾患
がでやすく、虚弱体質や、気性が荒くなったりしやすいのがデメリットです)。
・小ささへの考察
仮に大きさがある程度一定になったら犬種として認められる思われがちですが、そうはならないと思います。柴犬は80年ほど前から犬種として認められております
。当然、規定の大きさがありますが、現実の固体は大きさにかなりの差があり、未だに展覧会にて大きさが基準に合わずに失格になる柴犬が
いまだ見受けられるのが現状です。
過去、当犬舎でも展覧会用に柴犬を子犬から購入した固体がいましたが、残念なことに大きさが基準に満たさなかったため展覧会に出せませんでした。犬というのは、哺乳類の中でも人間の外見の違いのように多様性が高い生き物です。都合よく大きさを一定にすることは、難しいと思います(犬はセントバーナードからチワワまで大きさや外見がまったく異なります。猫ちゃんでもここまで多様性があるわけではありません。また犬種も数え切れないくらいあります。哺乳類の中でも飛びぬけて多様性が高いと思います。それだけ個性が出やすいということになります)。
チワワちゃんでもかなり大きめの固体もおります。この様に大きさには大小出てしまいがちですが、実は個性を少なくする方法も
あるのです。それが極近親交配を用いた近親交配の繰り返しです。この手法は個体差が出にくいこと(見た目も大きさもほぼ均一になりやすい)、安価でブリーディングできるメリットがありますが、その他のリスクが高すぎるので当犬舎の考えとまったく異なります。
当犬舎は、体の小ささを軽視しているわけではございません。小ささよりももっと重要なことがあると認識しているということです。犬の良し悪しというのは様々な見方があるのですが、外見的な要素:大きさやお顔立ち、毛並みだけで判断するのは、当犬舎の理想の考えと大きく異なるものです。
犬は置物や飾り物ではありません。実際に飼って家族の一員となるべき存在です。当犬舎は、内面的な要素を大事にしております。
では小ささへの努力は何もしていないかというと、そうではありません。小さく育てることを第一目標として、無理な交配や育て方をするようなことは一切していないということです。無理なことをすると
何らかのゆがみが出てきてしまいがちで、お客様にお渡しする子犬の上記二つの質の低下を招くことが危惧されます。それは私の本意ではありません。
では、どうしているかというと、豆柴同士の交配でも、
ほぼすべての繁殖犬の祖先に極小豆柴を入れております。豆柴同士で交配していくと、下記のグラフの緑色の線のイメージです(あくまでイメージです)。体高の統計を取っているわけではございませんが、おそらく正規分布に近い形状になると思います。
左右両極端は、体高の基準外になるでしょう。例えば、豆柴と極小豆柴の交配から生まれた子犬(F1)だと、青色の線のようになり、体高の平均値が低めになり、全体的に
体高が低いほう(左)に移動します。そこで設けた子(F1)に、再度、豆柴を交配すると、生まれてきた子犬(F2)の体高の平均値は、緑と青の線の真ん中
あたりに移動すると思います。今度は生まれてきた子犬(F2)に極小豆柴を交配すると、生まれれきた子犬の体高値は、更に左側にずれて青色の線
に近づくようになってきます。豆柴を交配をすると、緑の線に近づき、右側にずれてきます。このように、近い祖先に極小豆柴をいくつかいれることにより、平均値よりも大幅に大きめ(
ななり右側)にいくことが少なくなるように工夫しております。勿論、用いる極小豆柴も質が悪ければ生まれてくる子犬はどうしようもないのですが、質の高い極小豆柴を用いることで質を落とさずに、無理なく小型化を目指しております。
・お顔立ちや体型の好み
お顔立ちや体型も当犬舎の犬はまちまちです。当犬舎において、当犬舎の典型的なお顔立ちというのはございません。兄弟犬でよく似ている固体もあれば、まったく似てない固体もございます。
次世代を期待する当犬舎の繫殖犬は、当方の好みで選定しています。上記二つの大事なポイントをクリアした固体から選定しております。
どちらかというとお顔立ちは狐顔よりも狸顔のほうが好みです。体が細くて華奢な犬よりも、骨太で肩幅があるガッチリした犬のほうが(体重は増えますが)より好みです。中には5代以上、ガッチリ系で続いた血筋もあります。そのような特徴を持った繫殖犬の子孫をご案内しますので、その特徴を引き継いだ子犬をご案内できる機会が多いと思います。
■犬へのこだわり
・柴犬らしさの追求
→極小豆柴・豆柴等といえど、小さくて立派な柴犬です。立ち耳、三角目、形のよい巻き尾や差尾等、常に各構成の向上を意識してブリーディングしています。
・気性
→威厳が感じられる犬と、気性が荒い犬は大きく異なります。小さくても日本犬らしい姿、威厳を感じさせながら、一般家庭の良きパートナー犬になりうる極小豆柴・豆柴等を良しとしております。 具体的には、威厳を感じさせながら、無駄吠えしなく、人懐っこい、都会の暮らしに適応した子犬です。 これは、飼育環境から違いが出てきます。当犬舎の繁殖犬は、都内の住宅密集地域にあり、都会に住む方と環境がよく似ていることによります。当犬舎は、常時数十頭の成犬がおり、一匹でも無駄吠えするような飼いにくい犬がいると近所に大変な迷惑をかけるので、そのような固体は残ることができません。なので、自然と静かな犬ばかりになり、その両親犬から生まれた子犬は、静かで大人しい親犬の愛情(影響)を受けて、子犬のうちから無駄吠えしにくく、穏やかな性格の犬に成長していきます。都会のご自宅に子犬を連れて行っても、大人しく無駄吠えしにくいと好評です。 |
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■大江戸小町の犬舎外観 |