ビタミン・ミネラルの大切さをここで述べることもないでしょうが、一応知っている限りの情報を整理します。我々アスリートは、ビタミン・ミネラルの必要所要量が通常よりも多く、ビタミン剤なので補給するのは有効です。ただし、ビタミン。ミネラルの中には過剰に摂取が続くと副作用が出るので注意が必要です。代表的なのはビタミンAで、頭痛などの症状が出ると言われております。これら副作用がでるビタミンは脂溶性ビタミンといわれるビタミンであり、油に溶けやすい性質を持っており、一定量体内にプールできるようです。ビタミンBなどのビタミンは水溶性ビタミンといわれ、水に溶けます。過剰に摂取しても体内にプールされずに汗などで体外から排出されます。まずは脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンを確認しましょう。
プロテインの多くは脂溶性ビタミンが微量に含まれております。アスリート場合、通常よりビタミン(ミネラル)の必要所要量が増えるので脂溶性ビタミンが含まれているのは歓迎すべきです。しかし、毎日大量に(100g以上)脂溶性ビタミンを含むプロティンを摂取する人は、脂溶性ビタミンによる副作用の心配が出てきますので注意が必要です。そういう場合は、脂溶性ビタミンが含まれていないプロティンを選び、ビタミンは、他のビタミン剤で適量摂取すればいいでしょう。要するに体に良さそうだと思い脂溶性ビタミンを多量に摂取することは止めたほうが良いということです(一度体内に取り込まれるとなかなか排出されません)。脂溶性ビタミンは油に溶けやすく、水溶性ビタミンは水に溶けやすいと述べましたが、それは摂取した時の吸収率にも関係しますので脂溶性ビタミンは油分と一緒に(食事後)、水溶性ビタミンは水分と一緒に摂取することをお勧めします。
またミネラルですが、こちらも多量に摂取すると副作用がでてきます。一説によるとビタミンより副作用が出やすいといわれているので注意してください。
ビタミンA |
別名、目のビタミンといわれるほど、目の健康に強く影響するビタミンです。また、緑黄野菜に含まれているβカロチンという物質がありますが、これが体内で吸収されるとビタミンAになります。ただし、βカロチンとして摂取した場合、吸収率はビタミンAの1/3位のようで効率的ではありませんが、異なる抗酸化作用が期待できます。
効果と欠乏症状
視力の維持:不足すると暗闇での視力が低下したり、明るい場所に移動しても回復に時間がかかったりします。
免疫力の維持:不足すると風邪等感染症にかかりやすくなります。
皮膚の維持:肌荒れを防止できます
抗酸化作用:活性酸素による害を予防できます。
含有量が高い食品
植物性:ほうれん草、海苔
動物性:うなぎ、レバー
摂取量
2500〜2500IU/日〔50000IU/日の摂取により過剰症(頭痛、吐き気、皮膚の硬化等)を引き起こします〕
ビタミンB群 |
このビタミンは、タンパク質や脂肪の代謝に必要であり、身体を激しく動かすアスリートは必須ビタミンといえるでしょう。ゆっぺは日頃常にビタミンB群を摂取しています。ビタミンB群はB1B2B6B12、パンテトン酸、ナイアシン、ビオチン、葉酸に分けられ、それぞれ役割も異なります。もっともビタミン不足になりやすいビタミンB1を含むビタミンB群はビタミン剤が有効です。
ビタミンB1 |
炭水化物等、糖質の代謝を促進するビタミンです。また、あの脚気もビタミンB1不足から来ております。加工食品はビタミンB1が失われやすいので特に注意してください。これはビタミンB1が非常に水に溶けやすいことによります。また、甘党は糖をたくさんとるのでビタミンB1の所要量が増します。
効果と欠乏症状
糖質の代謝:糖質からエネルギーを取りだしやすくなります。
アルコールの代謝:アルコールを摂取する人は所要量が増えます。
元気回復:あの乳酸も分解する働きがあります。
神経系の維持:肩こりや動機息切れの防止効果があります。
含有量が高い食品
植物性:ゴマ、シイタケ、麦茶
動物性:豚ヒレ肉、卵黄
摂取量
1.0mg/日
ビタミンB2 |
脂肪燃焼に不可欠なビタミンです。減量中の方は注目すべきビタミンです。水溶性ビタミンの位置付けですがあまり水には溶けないようです。
効果と欠乏症状
脂肪の代謝:脂肪燃焼に特に有効。欠乏した状態では有酸素運動による脂肪燃焼の効果も期待できません。また、脂肪を燃焼させるために動脈硬化の予防にもなります。
生殖機能の健康:性欲や女性の生理にも影響します。
含有量が高い食品
植物性:アーモンド、大豆
動物性:牛乳、チーズ、レバー
摂取量
1.4mg/日
ビタミンB6 |
多くの食品に含まれているビタミンです。好き嫌いなしでバランスのとれた食生活をしていれば一日の所要量はラクにクリアできると言われています。卵、肉、プロティン等タンパク質を多く取る人には所要量が増えます。
効果と欠乏症状
タンパク質の代謝:アミノ酸からタンパク質を合成する際に深くかかわります。よってプロティンを飲んでいる人はより多くのビタミンB6が必要になります。タンパク質100gにつき1.5mgのビタミンB6が必要という報告もあります。
アレルギー対策:アレルギーの予防・治療にも有効です。
欠乏症状:ビタミンB6が欠乏するとインシュリンの分泌の低下に関係します。よって糖尿病対策にもなります。また欠乏すると虫歯もなりやすくなります。
含有量が高い食品
植物性:トマト、穀物
動物性:豚肉、サケ
摂取量
2.2mg/日
ビタミンB12 |
動物に多く含まれているビタミンで、植物には含まれていません。ベジタリアンの人は摂取する機会がないのでビタミン剤に頼るしかないでしょう。
効果と欠乏症状
悪性貧血対策:ビタミンB12と葉酸不足による貧血です。欠乏すると悪性貧血になるので注意しましょう。
アミノ酸の代謝:アミノ酸の代謝に重要な役割があります。
含有量が高い食品
植物性:−
動物性:レバー、貝類、牛乳、卵
摂取量
−mg/日
パンテトン酸 |
食品に多く含まれているビタミンで一般にあまり欠乏することがないといわれているビタミンです。タンパク質、脂肪、等質の代謝に影響するのでアスリートには重要な栄養素です。
効果と欠乏症状
タンパク質、脂肪、糖質の代謝:激しく身体を動かすアスリートは重要な役割があり、通常より必要量が増えると考えられます。
含有量が高い食品
植物性:大豆、穀類
動物性:レバー、魚類、牛乳
摂取量
4〜10mg/日
ナイアシン |
効果と欠乏症状
皮膚の健康:欠乏すると日焼けに弱くなる。欠乏が進むと、皮膚炎や精神障害になる。
タンパク質、脂肪、糖質の代謝:激しく身体を動かすアスリートは重要な役割があり、通常より必要量が増えると考えられます。
乳酸の代謝:あの乳酸をエネルギー源にする働きに関わります。
含有量が高い食品
植物性:豆類、穀類、ゴマ
動物性:肉類、魚類
摂取量
17mg/日
ビオチン |
ビオチンはタンパク質、脂肪、糖質の代謝に影響するアスリートには重要なビタミンですが、生卵の白身に吸収を阻害する物質があり、卵をたくさん摂取する方には欠乏の恐れがあり注意が必要です。
効果と欠乏症状
タンパク質、脂肪、糖質の代謝:激しく身体を動かすアスリートは重要な役割があり、通常より必要量が増えると考えられます。
皮膚の健康:欠乏が進むと、皮膚炎の恐れがあります。
含有量が高い食品
植物性:豆類
動物性:レバー、いわし
摂取量
100μg/日
葉酸 |
赤血球やアミノ酸の生成に役立ちます。また、ビタミンCを多量に摂取しつづけると葉酸が不足して欠乏を招く恐れがあるそうです。
効果と欠乏症状
欠乏症状:欠乏すると貧血を初め、食欲不審、不眠や記憶障害等があります。
含有量が高い食品
植物性:ほうれん草、大豆、トウモロコシ、きな粉
動物性:−
摂取量
200μg/日
ビタミンC |
テレビのCM等で盛んに話題にされており有名なビタミンです。ビタミンCは、さまざまな役割があり、やはり重要なビタミンです。ビタミンCは特に水や熱に弱いので調理には気を使いましょう。また腎臓を患っている方のビタミンC大量摂取は腎臓に負担がかかりますので注意が必要です。それとタバコを吸う人は特に摂取になければなりません。一本吸う毎に実に25mgのビタミンCが破壊されます。これは毒以外の何物でもありません。タバコ、恐るべし。
効果と欠乏症状
骨の健康:骨を形成するのにカルシウムやビタミンD、コラーゲンが必要です。ビタミンCはコラーゲンの合成を助けます。
抗ウイルス作用:風邪等のウイルスに対し、抗ウイルス作用があります。ビタミンCを充分に摂取していれば風邪の予防や治療になります。風邪を患った場合、一日数回に分けて多量のビタミンCを摂取すれば改善効果が期待できます。
目の健康:白内障の治療と予防にもなります。
抗酸化作用:活性酸素による害を予防できます。
含有量が高い食品
植物性:レモン、緑茶、ほうれん草、ブロッコリー、大根、芋類、ピーマン、キュウリ
動物性:肉類、魚類
摂取量
50mg/日
ビタミンD |
太陽の紫外線を受けて皮膚から合成できるビタミンです。雪国の人や外出しない人は欠乏症に注意が必要です。
効果と欠乏症状
骨の健康:骨を形成するのにカルシウムやビタミンD、コラーゲンが必要です。ビタミンDが欠乏すると丈夫な骨が形成されません。
欠乏時:骨を形成が阻害されてしまいます。
過剰摂取時:骨からカルシュウムが溶け、もろくなってしまいます。
含有量が高い食品
植物性:−
動物性:バター、魚類、レバー、牛乳、卵
摂取量
100IU/日
ビタミンE |
ビタミンB群と同じ、アスリートには特に重要なビタミンです。またビタミンEは、アルファ、ベータ、ガンマ型に分類できます。そしてもっとも優れているのはアルファ型のビタミンE(アルファトコフェロール)で、小麦麦芽だけしか得られません。この小麦麦芽は麦芽油として市販されています。ビタミン剤として合成されたアルファトコフェロールも出ており、これは天然のアルファトコフェロールより多少劣りますが、天然のベータトコフェロールよりも優れております。また、天然のアルファトコフェロール100%のビタミン剤はとても高価な製品が多いので私にはとても手が出ません。そのような場合は、比較的効果が高く、値段もそんなに高価でない合成のアルファトコフェロールが狙い目です。購入の際にはどのようなビタミンEかしっかりチェックしましょう。なお、脂溶性に分けられるビタミンEですが、水溶性に近い性質を持つのであまり多量に摂取しても大きな弊害は無いようです。
効果と欠乏症状
老化防止:血液循環が良くなります。また細胞を活性化させるために「若返りビタミン」とも言われます。生殖機能の低下も防止できます。
抗酸化作用:ビタミンA、Cと同様、活性酸素による害を予防できます。中でもビタミンEは一番強力といわれています。
含有量が高い食品
植物性:アボガド、ナッツ類、穀類
動物性:豚肉、レバー、卵
摂取量
10〜50mg/日
ビタミンK |
必要所要量も微量で、植物に多く含まれているのであまり欠乏することは無いと言われているビタミンです。抗生物質を服用すると所要量が増加します。
効果と欠乏症状
止血作用:血液の凝固に関わります。欠乏すると止血しづらくなります。
抗酸化作用:活性酸素による害を予防できます。
含有量が高い食品
植物性:アボガド、ナッツ類、穀類
動物性:豚肉、レバー、卵
摂取量
70〜140μg/日
カルシウム |
骨を生成するのに必要なミネラルとして有名です。乳製品を余り好まなかった日本人には不足しがちなミネラルなので充分意識して摂取しましょう。また、加工食品に多く含まれるリンは、カルシウムの吸収を妨げるので注意が必要です。
効果と欠乏症状
骨の強化:骨や歯を作る重要なミネラルです。
精神の安定:欠乏すると虫歯になりやすくなり、骨の軟化やイライラ感が強まります。
含有量が高い食品
植物性:ヒジキ
動物性:チーズ、桜海老、小魚、牛乳
摂取量
0.6g/日
マグネシウム |
病気を治すミネラルとされています。
効果と欠乏症状
糖質の代謝:糖質の代謝に関係します。
安眠作用:安眠作用があるといわれております。
酵素の活性化:体内の約300種類の酵素にはマグネシウムが必須成分といわれている。
欠乏症状:欠乏すると心臓病を引き起こすといわれています。
含有量が高い食品
植物性:玄米、柿、納豆、ほうれん草
動物性:カツオ、マグロ
摂取量
300mg/日
鉄 |
女性に不足しがちなミネラルです。ビタミンCとマンガンにより吸収率が高くなります。カルシウムに次ぐ、日本人に不足しがちなミネラルです。鉄の調理器具の普及率低下が影響しているようです。鉄が十分でないと、有酸素運動・無酸素運動共に息切れがしやすくなります。持久力が求められるアスリートは不足していないか注意しましょう。
効果と欠乏症状
欠乏症状:欠乏すると貧血、冷え性、めまい、息切れを引き起こします。
含有量が高い食品
植物性:ほうれん草、大根
動物性:うなぎ、貝類
摂取量
10〜12mg/日
亜鉛 |
滋養強壮に有名なミネラルです。筋肉中にも多く含まれており、タンパク質の生成にも重要な役割があるといわれており抗酸化作用も強いので、体作りをしている人にはぜひ注目して欲しいミネラルです。
効果と欠乏症状
酵素の活性化:体内の約200種類の酵素には亜鉛が必須成分といわれています。
欠乏症状:欠乏すると味覚障害、男性は精力減退を引き起こします。
抗酸化作用:活性酸素による害を予防できます。
含有量が高い食品
植物性:抹茶、小麦麦芽、ゴボウ
動物性:貝類、豚のレバー
摂取量
15mg/日
カリウム |
高血圧の予防として注目されているミネラルです。
効果と欠乏症状
降圧作用:ナトリウム過剰による細胞内濃度の調節と腎臓におけるナトリウム吸収の阻害。
含有量が高い食品
植物性:柑橘類、トマト、バナナ、スイカ、ココア
動物性:
摂取量
2〜4mg/日