ここでは、極小豆柴・豆柴・小柴に関して当犬舎の見解と考察を示します。 ※仔犬をお求めの方はこちらをご覧ください

 

 

 
 
 

 

まず、ブリーダーについてご説明いたします。ブリーダーは犬の繁殖者ですが、主に二つの目的で自分が扱っている犬種の普及活動を行っています。

 (1) 既存犬種の向上、発展・普及

 既に犬種として認められている犬を繁殖し、質の向上とその犬種の良さを知ってもらうための普及を行います。犬というのは犬種によって特徴・特性が異なります。犬種毎に良さも異なり、それに魅了された人たちによって繁殖活動が行われています。ただどの犬種も完全無欠というわけでなく、その犬種が持っている課題は少なからずあります。ブリーダーは、その犬種が持っている良さを引き出し、課題を改善していきます。もしその努力がなければ、犬種として維持できなくなってしまうでしょう。

 (2) 新犬種の作出

 新しい犬種の作出を目的とします。一部原種とされる犬を除く一般的な洋犬や、犬種として認められたミニチュア犬(ミニチュアダックスフンド、トーイプードルなど)は、先人のブリーダーの手によって長年の努力の結果、作出されました。特にプードル系は、長年の努力の結果、スタンダードプードル→トーイプードルと大きく差が開きました。一部のブリーダーはなる小ささを求めています。日本で作出された犬の代表は、土佐闘犬や狆があります。現存する日本犬の中で、野性味があふれて人の手が加わってないとされる犬は、甲斐犬と言われております。

 豆柴はまだ犬種として認められていないと仮定すると、豆柴ブリーダーはこの(2)の「新犬種の作出」が目的となります。勿論、(1)と同じように品質の向上は怠ったりしません。

豆柴が認められたと仮定すると、(1)になる訳です。

いずれも、よりよい犬を安定して作出するための努力が必要になります。

 

 
極小豆柴・豆柴・小柴の定義  
 

 

(1)極小豆柴・豆柴・小柴の現状

今まで多くの極小豆柴:豆柴・小柴と言われる小さな柴犬を見てきましたが、その経験で感じたことは、

 ・ブリーダーの様々な試みにより、系統が生じている

 ・外見・大きさ・気質、犬質は様々であり、一長一短である

ということです。極小豆柴・豆柴・小柴に関する見解はブリーダー間でも意見が一致しておらず、スタンダードがない現状では、どれが正しくて、どれが間違いとは一概に言い切れない、と思っています。なので、私の考えも絶対ではありません。それぞれ見解が異なって当然です。

 ちなみに、最大規模の日本犬登録団体である公益社団法人:日本犬保存会では、極小豆柴・豆柴・小柴等を公認犬種として認めていません。体高が不足した柴犬としての扱いです*1。全犬種団体である社団法人のJKCも同様です。

 従って社団法人の統書の犬種の表記は、「柴犬」となります(余談ですが、一般に極小豆柴・豆柴なんて存在しないというのはここから来ていると思われ、それは一理あります)。社会的に認められた社団法人には存在しない、そのことは、犬種として存在しない、極小豆柴・豆柴・小柴のスタンダードが存在しないということになります。これらの団体から派生した任意の団体には、一部小柴の分類があります。

 私の個人的な見解では、豆柴・極小豆柴・小柴等は犬種としては、現状存在しないと思っています。

 私的な団体の血統書や、ブリーダー自身が発行する血統書、任意団体(NPO法人含む)にはある程度柔軟に対応できますので、極小豆柴・豆柴・小柴・ミニ柴等として記載されるようです(当犬舎は社団法人外の血統書にあまり興味がないので、これらの犬の詳細は分かりません)。

 確かに極小豆柴・豆柴・小柴という犬種は存在しないという意見は一理ありますが、通常の柴犬よりも小型の柴犬がおり、唯単に小さくて大きくならないというだけでなく、柴犬としての質も重んじ、計画繁殖して作出されている犬はいるのです。

 

(2)本犬舎の極小豆柴・豆柴・小柴

 日本犬保存会による犬種のサイズの分類では、大型:秋田犬、中型:紀州犬、四国犬、北海道犬、甲斐犬、小型:柴犬となっております。
 当犬舎の犬は、小型の柴犬の標準サイズ*2より低い犬を基に繁殖していますので、ここでは小型と分類されている柴犬よりも更に小さい --> 超小型サイズの柴犬 --> 超小型柴犬:極小豆柴・豆柴・小柴と仮定しています。

通常、ブリーダーは、スタンダードに基づき、自分の好みもあわせてブリーディングしていきます。極小豆柴:豆柴・小柴にスタンダードがないということは、公的な指標がないので、各ブリーダー個人が指標を定めるしかありません。
 柴犬は、団体の解釈の違いにより外見にかなり差がありますが、柴犬の特徴であるピンと立った三角の立ち耳、やや奥目のキリリとした三角目、クルッと巻いた力強い巻尾(差尾)、という点ではどの団体も一致しております。
 極小豆柴・豆柴・小柴については、スタンダードが存在しないので当然各自解釈が異なりますが、当犬舎は上記柴犬の特徴を尊重しています。

 

 現状を踏まえ、本犬舎は極小豆柴・豆柴・小柴に関して以下のように定義しています。

 『極小豆柴・豆柴・小柴とは、両親とも小型の血統を持つ良質な柴犬で、子孫にも小型の良質な柴犬が期待できるもの』

とします。良質というのは、健康かつ、上記柴犬の特徴を兼ね備えたものです。犬の特徴の傾向としては、日保が好む犬と同じベクトルです。

 あくまでもここだけの定義です。当然異なる意見もあるかと思いますが、公式な場で制定されていない以上、それは仕方が無いことでしょう。

*1:日本犬保存会会誌:H14/2号より

*2:雄/体高39.5cm、雌/体高36.5cm。許容/上下1.5cm

 
豆柴・極小豆柴・小柴の大きさについて  
 

 

 当犬舎では、超小型柴犬:極小豆柴・豆柴・小柴における成犬時の大きさの判断は、ある程度の客観性を持たせるために体高(肩までの高さ)で判断しています。
 体重で大きさを判断する方法もありますが、個体毎に生まれ持った骨格の違いや筋量・脂肪量の差、胴体の長さにより体重に大きく影響を与えるので、客観的な判断は難しいと思います。また、給餌量等で体重を調節することも可能になります。
 好ましくない話ですが、体高と骨格等から判断すると通常6kg前後あると思われるの固体でも、環境(不適切な給餌内容、運動量等)により、肥満が過ぎると10kgを超えたり、やせすぎで4kgに満たない犬になることもありえます。
  体高の測定は右に示す画像のように背中の毛を圧して計ります。正確な測定は専用の測定器(非売品)を用いなければ困難です。
現在、体高測定棒が破損したため、体高の正確な測定ができなくなりました・・・

■体高の測定(イメージ)

 体高での大きさの判定は、人間の見た目と一致していないことがあります。同じ身長の人でも、体型次第で体重も見た目の大きさも大きく異なります。例えば、同じ身長の痩せ気味の人と鍛えぬかれたラガーマンとでは、体重差はもちろん、圧倒的にラガーマンのほうが大きく見えることでしょう。
 犬でも同様であり、同じ体高でも、生まれつきスマートな体型の犬もいれば、展覧会でよく見られる筋肉質体型の犬(≠肥満)もいます。両者を比較すると、体重は数キロ異なり、筋肉質体型の犬は大きく見えてしまいます。
 また人は、通常見下ろして犬を見ています。並べて比較しない限り、多少の体高差があってもどちらが体高が高いか分かり辛くなります。反面、体の太さは良く分かるので、筋肉質の犬の方が大きく見えてしまいます。
 なので、筋肉質の犬は大きな犬と思われがちですが、体高を測定すると意外に低いことがあります。

 雌雄差:柴犬の雄と雌の体高差は標準で3cm異なり、雄のほうが大きいです。これは極小豆柴:豆柴・小柴でも同様であり、性別で体高が異なります。柴犬程の差はありませんが、それでも1cm〜2xcm位の差が生じます。勿論、体重もオスのほうが重くなりがちです。、

 個体差:固定した犬種でも個体により体高の高低があり、必ずしも規定内に収まってはいません。
 勿論豆柴・小柴にも個体により体高に違いがありますが、スタンダードがない関係等で他の犬種とくらべて個体差(系統差)が大きいと思います。また人間の個人差同様、犬にも個体差があり、均一を求めるのは無理です。

 小さいものは雄でも体高25cmに満たない個体もいますし、雌でも35cmを超える大きな個体もいます。

#単純に小さければよいというものではありません

 

 現状を踏まえると、極小豆柴:豆柴・小柴の通常の大きさは、柴犬の最低体高(雄:38cm、雌:35cm)に満たない体高とは言えますが、明確な体高の制定は正直難しいです。なので、以前は規定しておりませんでした。その後、分かりにくいというご意見もあり、大変悩みました。そして、あくまで一人のブリーダーの個人的な見解としてざっくりと分類してみました。

犬種

広義の分類

狭義の分類

オス(cm)

メス(cm)

印象

柴犬

柴犬

39.5(±1.5)

36.5(±1.5)

日本犬の世界では小型だが、洋犬を入れた一般認識では中型の分類。一般的に外見重視でブリーディングしているケースが多いので、格好はいい。代々外飼いの犬なので、室内での飼育は向いていない個体もいる。

豆柴犬

小柴犬

36前後

33.5前後

柴犬よりもひとまわり小さい。室内飼いでもある程度扱いやすいサイズで、格好も比較的安定してよい。価格もリーズナブル。最近はご紹介できる機会が少ない。

豆柴犬 32.5前後

31.0前後

マンションでも扱いやすいサイズで、雌犬だと女性でも比較的楽。容姿も整った固体が多い。値段も極小豆柴犬よりはお手頃でご紹介できる機会も多い。都内の大手ペットショップ様の柴犬の平均的なお値段+α位でご提供していることが多い。当犬舎では、室内でも飼い易い性格(攻撃性が少ない)の犬を前提としてブリーディングしているので、室内でも飼い易い個体が多い。
極小豆柴犬 30以下 28.5以下 体高30cmを切ると、とても小さく見える。特に25cm級以下になると、超小型犬(パピヨン・トーイ・プードル)よりも背が低いこともある。背が低くても柴犬なので(骨太な体格の関係)体重は重めになる。それでも、3kg以下の超軽量級もいる。ご年配の方や女性、お子様でも非常に扱い易い。容姿は個体差が激しい。当犬舎でもっとも小さな固体では、体高22cm前後。幼犬時は軽いので、カラス対策が必要かも!?課題は、体格・容姿のバラツキの向上。 現在、当犬舎では、優良個体を用いて更なる質の向上に努めている。

■柴犬と当犬舎における極小豆柴、豆柴、小柴の体高値(単位:cm)
    部分は当犬舎の主観

 このような数値です。黒毛の極小豆柴・豆柴は、上記より若干高くなります。この数値は将来見直しする可能性もあります。

 くどいようですが、あくまでも当犬舎が勝手に定義した暫定的に決めた目安の値です(当犬舎内での話限定です。他の犬舎では通用しませんのでご注意ください)。
 子犬、幼犬については、体高を計って決めてもあまり意味がないと思っています。子犬の成長具合を確認する意味で、幼犬期の体重の測定は意義があります。

 ■体重測定(画像は若犬)

 当犬舎では、見た目の大きさに惑わされず、柴犬本来の良さを損なわないよう配慮をしてブリーディングしています。

 

 
豆柴・極小豆柴・小柴の毛色について  
 

 

 柴犬としては、望ましい毛色(カラー)として3つの毛色、即ち、「赤毛」、「黒毛」、「胡麻毛」があります。当犬舎では、豆柴・小柴も同様に3つの毛色を基本としています。

赤毛
最もポピュラーな毛色で、全体の8〜9割前後が赤毛(見た目は茶色ですが、柴犬ではこれを赤毛と呼びます)と言われています。日本人がイメージする犬は、柴犬の赤毛ではないでしょうか。その位に日本人の心に浸透していると思います。
成犬になると顔・腹部・尾にかけて白毛が目立ってきます。赤毛でも個体毎に赤みが異なり、同じ色の赤毛は二つといないとも言われています。幼犬の時は、口の周りの毛が黒い固体(黒マスク)も多く見られますが、大半は成犬までになくなります。

■赤毛の豆柴犬

 よく胡麻毛のように全身、ないし体の一部分に黒い毛(黒差し毛)が多く見られる犬が生まれますが、殆どの犬は成犬(3才前後)になるまでにこの黒い毛は目立たなくなってしまいます。

 

黒毛
黒毛を持つ柴犬ですが、全身黒毛で覆われているのではなく、目の上に四つ目と呼ばれる小さなタンを持ち、赤毛と白毛が顔・胸部、腹部・足・尻尾にかけて見られます。理想的な黒毛は、日本犬独特の鉄錆色(艶消しの黒に近いイメージ)が理想とされています。黒色の毛ですが、毛のすべての部分が黒色ではなく、根元は白色、真ん中は赤毛で、先端部分が黒色になるのが望ましいです。黒毛の模様も多様であり、非常に奥が深いものです。血統により、タンが大きく流れたり、若くして逆マスクになったり、洋犬のように艶があるピカピカの黒毛を持った犬が多く、理想的な黒毛の作出は、非常に難しいと感じております。当犬舎では、コストをかけて理想の黒毛を追求していきます。

■黒毛の幼犬:成長著しく、毛質も変化が激しい

胡麻毛
胡麻毛は、赤毛、黒毛、白毛が程よく混ざった毛色です。黒毛の混じり具合により、赤胡麻(赤毛っぽく見える)、黒胡麻(黒毛っぽく見える)とも呼ばれ、血統書上にも表記することが可能です。日本犬本来の渋い色彩で、根強い人気があります。柴犬では一番少ない毛色です。頭部や顔まで黒毛が見られる犬が本来の表現形ですが、そのような犬が生まれて成犬になっても黒毛が残っている確率は、1%にも満たないといえるでしょう。ある意味、一番少ない貴重な毛色と言えます。本当のレアカラーですが、あまりにも少なく地味な印象のため、あまり知名度が高くないのが残念です。

■顔まで黒毛が入った胡麻毛の成犬(赤胡麻) ■顔まで黒毛が入った胡麻毛の子犬

展覧会でも胡麻毛の出展は少ないのですが、稀に素晴らしい固体を見ることができます。日本犬らしい渋い胡麻毛は、とても好感が持ています。

その他(斑毛や虎毛、白毛)

他にも斑毛や虎毛、白毛がおりますが、一般的にイレギュラーな毛色の扱いです。斑毛はかなり昔に名犬を作出した繁殖犬として活躍した犬が知られております。虎毛も昔は展覧会で活躍していたという話がありますが、今は完全に見かけなくなりました。幻の毛色と言っても良いと思います。白毛の名犬はあまり聞いたことがありません。白毛を繁殖に用いると鮮やかな体色を持つ有色犬が生まれやすいので、裏技として知られております。